■ 三十三霊場

鷹巣山 開元院【美濃瑞浪三十三霊場 第三十三番】瑞浪市日吉町

 開元院は古くから土岐氏の守護寺であったと伝えられており、寺伝によれば嘉吉3年(1443)当時の領主土岐頼元により開山されたと言われている。山門、本尊の観世音菩薩坐像、駕篭が県や市の文化財に指定されています。

静まりかえったある晩のこと、禅師は文机に向かって書き物をしていました。するとほっぺたに冷たいものが当たるのを感じました。「声を出すな、さわぐと切るぞ」 強盗が刀をあてています。「働かずに人の物をとろうとは、まことにはずかしいことじゃ。さっさとお帰り」と禅師は静かにさとしました。「説教を聞きにきたんじゃない」と賊は、禅師の首を切りおとしてしまいました。めぼしいものをかき集めて引き返そうとすると、切られたはずの禅師が静かに書き物をしています。「お前は何者だ」と禅師は聞きました。「さっき首を切りおとしたはずなのに…」「おお、そういえばさっき首すじに冷たいものがあたったようじゃが…」こう言いながら禅師はふところから持仏として持っていた毘沙門天を取り出すと、その首は後ろから切られていました。賊はひれ伏して念仏を唱えました。その後賊は禅師にさとされて弟子入りし、開元院三代目のお坊さんになりました。
●この昔話は、「ふるさと瑞浪」のお話のあらすじを短くして掲載しています。

宗派/曹洞宗(御本尊:聖観世音菩薩)
市・県指定有形文化財/聖観世音菩薩(文和5年(1356)

瑞浪市日吉町8846
TEL.0572-69-2052
瑞浪市教育委員会 スポーツ文化課 TEL.0572-68-7710
JR瑞浪駅下車タクシー15分 中央自動車道瑞浪ICより15分




開元院 木造観世音菩薩坐像   木造観世音菩薩坐像
鷹巣山開元院の本尊。檜材の寄木造り、玉眼の坐像。像の底の墨書銘によると、南北朝時代の文和5年(1356)に造られたことがわかる。


開元院 絹本著色月泉性印和尚頂相図  絹本著色月泉性印和尚頂相図
室町時代。月泉性印和尚の肖像画。和尚は、永平寺で修行の後諸国を巡り、永亨11年 (1439)に開元院の開山として招かれた。その後、総持寺へ移ったが再び開元院に戻り、文明2年(1470)に亡くなった。


開元院 駕篭   開元院 駕篭
江戸時代後期。主として武家が使用した権門駕篭で、祖先・主家の供養等の事由でゆかりの寺に寄進されたものと言われている。

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