■ 三十三霊場

金城山 宗昌寺【美濃瑞浪三十三霊場 第五番】岐阜県 瑞浪市 大湫町

 開山は、関ヶ原の合戦のあとの慶長五年(1600年)。大湫村を開いた保々宗昌により開山されたためこの名前となりました。大湫宿を見下ろす高台にあり、そこからの景色も抜群です。入口付近には「中山道 大湫宿」の立派な石碑が立っています。

御詠歌

 本陣の 山にこだます
  かねの音に
   ぼさつのめぐみ 広がりてゆく

 中仙道大湫宿を見渡す山すそに宗昌寺がある。この寺は、慶長5年(1600)この地に住んで関ケ原合戦に木曽氏に味方した郷士保々市郎左衛門宗昌が、菩提寺として建立したものである。保々氏は代々大湫宿の本陣・庄屋をつとめました。開山は聖沢門派の法系智仙宗恵である。
 堂宇は、数度にわたる宿場町大火もまぬがれ、寺は宿場の控本陣として重用されてきた。

金城山 宗昌寺(そうしょうじ)
御本尊:釈迦如来 文珠菩薩、普賢菩薩
宗 派:臨済宗妙心寺派
瑞浪市大湫町大湫 TEL0572ー63-3166



刻経塔

宝暦八年(一七五八)
 高さ2.7mの刻経塔(宝篋印塔)の四方仏として薬師(東)阿弥陀(西)弥勤(北)と共に南面に浮彫りされた美しい尊像です。
 市内には十基余りの刻経塔(宝篋印塔)がありますが、その大半がバイ(薬師・東)バク(釈迦・南)ギリーク(阿弥陀・西)ユ(弥勤・北)の種子(象徴梵字)で四方仏が表現されており、四方仏が実際に彫られているのは数例だけです。
 基礎部に「宝暦八寅年冬十月十五日」とあり、光明真言供養塔と共に境内の景観を整えています。


光明真言読誦塔

文政八年(一八二五)読誦塔・四面種子・光明真言千万供養(村瀬氏)
 大湫宿で大乗妙典千部供養が4回も勤行され、光明真言千万遍と金剛経五千巻も供養されました。中でも宗昌寺境内の光明真言千万供養塔は高さ3mの立派なもので、大勤行の依頼と、こうした塔の建立は余程の心願と財産が無ければ出来ないことです。


写経塔

宝暦十年(一七六〇)光明真言一万書写供養・灯篭
 宗昌寺境内の宝暦十年のものは、笠塔婆型ともいえる灯篭造りの塔身に「光明真言一万書写供養 宝暦十辰年六月十五日」とだけあり、写経者は不明です。また光明真言とは、二十三文字からなり、これを一万回書写したものです。


経典読誦塔

天保十六年(一八四五)五千巻読誦塔


女人講による如意輪観音(月待碑)

(明和七・一七七〇・丸・坐・二臂・思惟・蓮華座)
(文政十二・一八二九・丸・坐・二臂・思惟・蓮華座)

 大湫町宗昌寺の二例は、明和七年のものと、これと並んでいる文政十二年のものの双方共に「女人講中」とあり、特に明和のものには「奉造供養塔 輪観世音菩薩 旹明和七庚寅歳 濃州土岐郡大湫宿女人講中」とあって、大湫宿でも他町と同様に女人講を中心にした二十二夜月待講の信仰が盛んで、この如意輪観音石像が造立されたものであることが判ります。
 この二十二夜月待講というのは、その夜、講の女が一堂に集まり、如意輪石像や軸に供物をして焼香し、心経・ご詠歌・和讃を唱えて出産・婦人病の祈願をし、終えて女人同士の数少ない飲食・雑談・娯楽・慰安の場とした庶民信仰行事でした。
 また宗昌寺の明和のものに、輪観世音と刻まれていますが、輪とは如意輪を略した言葉です。


聖観音石像

明和九年(一七七二)光・立・左蓮華・右施無畏印

六地蔵

明和九年(一七七二)光・立・参道に並ぶ・中央に聖観音
 聖観音石像が六地蔵の主尊として造立された珍らしいものです。
 寺の参道に聖観音を中心にして左右に三体づつ並べられており、 「明和九年」の造立年は聖観音の台石に刻まれています。法印地蔵の持っ幢幡が特に明白に彫られているのが特徴です。


万霊塔

大湫町宗昌寺入ロ(天保四頃・一八三三頃・自然碑・三界万霊等(正面クマドリ)


三十三所観音供養(文字)碑

(天保十六・一八四五・文字塔・西国三十三所供養・他とも)


地蔵菩薩石像

(正徳元・一七一一・光・立・右錫杖・左宝珠・墓碑地蔵)


二十二夜石造

(明和七・一七七〇・如意輪観音石造・輪観世音・女人講中)
(文政十二・一八二九・如意輪観音石造・女人講中)

 共に丸彫りの如意輪石像で、明和七年のものには「奉造供養塔 輪観世音菩薩 旹明和七庚寅十月 濃州土岐郡大湫宿女人講中」文政十二年のものには「女人講中 文政十二年己丑夏六月」とあって共に二十一夜若しくは同二十二夜待講の本尊として造立されたものであることが判ります。


宗昌寺の百日紅(さるすべり)

 今から400年あまり前、大湫村をつくった保々宗昌が開いた宗昌寺には、花といいその幹肌といい枝振りといい、実にみごとな百日紅があります。詳しい樹齢はわかりませんが、由緒あるお寺の歴史とともに生き続けてきた名木で、8月の終わりには濃いピンク色の花が満開になります。名前の通り花期は長く、9月中旬まで楽しめます。

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