■ 寺院 石仏

薬王山 宝林寺【美濃瑞浪三十三霊場 第二十五番】瑞浪市宮前町

 白壁が映える本堂は棟が高く勇壮な印象です。寺内の宝筐印塔は立願成就の守り神で、今尚厚く信仰されています。

宗派/曹洞宗(御本尊:薬師瑠璃光如来)
所在地/瑞浪市宮前町1-47
TEL0572-68-2254

薬王山宝林寺 納経塔
 本尊 薬師瑠璃光(るりこう)如来で、慶安四年(一六五一)創立というも、寛永五年(一六二八)の記帳あり、宝林寺由来記にも「岩村妙仙寺天禅この里の草庵に住し、後に廃す」とあればあるいは前身に薬師の小庵の存在が認知される。この寺の境内にある納経塔の塔身の下段の台石に「是経一巻三千五百二十三字、 一字三押して敬書し、大角之中に安置す」 (南側)維時明和三丙戊(一七六六)花月日宝林十一世大胤禅梁書(東側)「一宇礼観音心経如来安置護門庭 全身舎 七宝塔羅竦天宮八地冥」(北側)など該銘してある。塔形は、月吉大応寺の構造と相似している。
 碑文によると、その年、疫病が流行し、その退散と、平癒祈願のために建塔されたものである。
 幕藩体制の確立が、農民に粗衣、粗食を強要し、その上重労働を課した。その上、現代のように防疫対策や予防注射があるわけでなく薬品による治療も不備な時代だったから、貧困な庶民は神仏の加持祈祷や迷信的な呪い物、即ち護り札やお水、呪文に頼ることが多かったのではなかろうか。 こう推理してくると、宝林寺の供養塔に刻銘された文字は、当時を偲ばせる大切な記念物としなければならない。

瑞浪の石造物より

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