北野(八瀬沢)坂の廻国塔
琵琶峠から西へ下った中山道は、八瀬沢立場跡で県道六五号線と合し、その西方の大湫・日吉両町境の土橋から日吉町内に入り北野(八瀬沢)坂を上ると右(北)側奥に安永六年(一七七七)の北野坂の廻国塔がある。廻国塔というのは六十六部碑とか六部碑などといわれ、大乗妙典(法華経)を六六部写経し、日本全国(六十六州)に奉納して廻ったという大変な修験道行者の記念塔で、ここの廻国塔は立派であり、中山道時代には道中安全の碑として旅人たちからも深い信仰を受けていた。
(中山道ガイドブックより)
廻国塔は、写経塔(納経塔)とも関係してきますが、大乗妙典(法華経)をわが国六十六カ国に保存する目的によって六十六巻写経し、自村でなく全国を廻って一部づつ納経するもので、無事満願して建立したのが廻国塔(碑)です。
日吉町北野中仙道(安永六・一七七七・一奉納大乗妙典 日本廻国供養)