釜戸町宿 神明神社
瑞浪市釜戸町823(宿)
【祭神】天照大神
【例祭日】10月第2日曜日
【由緒】釜戸町宿は、中世鎌倉街道の宿場で、その西端に重畳たる巨岩の山を覆う森がある。神明神社はこの森を背にして東向きに鎮座され、本殿は間口四尺、奥行一間余の銅板葺流造だが、もとは桧皮葺で、大正13年に銅板に替えられ本殿の前に拝殿、一段下に直会所がある。この神明神社に参拝してまず目につくのが神明の湯である。石囲いの池の底から滾滾と湧いているこの湯には、次のような伝説がある。昔、龍吟山天猷寺の老僧大雪がこの地に退隠していた時、庵の近くの岩間から湧き出る泉水に、毎夜白い狐がやってきて、痛めた足を浸しては、夜明けになると立去るのを見ていた。そして半月程たったある夜、白狐が白髪の老人と化して枕頭に立ち「尊師、私の足を治したこの霊湯を世の為にひろめ給え」と言って姿を消した。この話から、神明の湯は白狐温泉と名づけられた。
(岐阜県神社名鑑より)
祭神 天照大御神(あまてらすおおみかみ)
神明神社
瑞浪市釜戸町823番地(宿)
白狐(びゃっこ)由来神明の湯の守護神
この釜戸町宿は、中世鎌倉街道の宿場で、その西端に重畳たる巨岩の山を覆う森があります。
神明神社はこの森を背にして東向きに鎮座され、本殿は間口四尺、奥行一間余の銅板葺流造ですが、もとは桧皮葺で、大正13年に銅板に替えられました。
本殿の前に拝殿、一段下に直会所があります。
この神明神社に参拝してまず目につくのが神明の湯です。石囲いの池の底から滾滾と湧いているこの湯には、次のような伝説があります。
昔、龍吟山天猷寺の老僧大雪がこの地に退隠していた時、庵の近くの岩間から湧き出る泉水に、毎夜白い狐がやってきて、痛めた足を浸しては、夜明けになると立去るのを見ていた。そして半月程たったある夜、白狐が白髪の老人と化して枕頭に立ち「尊師、私の足を治したこの霊湯を世の為にひろめ給え」と言って姿を消した。
この話から、神明の湯は白狐温泉と名づけられ、かつては七軒の旅館が立ち並び中央線沿線の名所となっていました。神明神社は、神明の湯の守護神でもあります。
天然記念物ヒトツバタゴ自生
さらに、この湯の池の近くに、国指定の天然記念物となっているヒトツバタゴの自生地があります。ヒトツバタゴはナンジャモンジャとかアンニャモンニャなどとも呼ばれ、昔の人には正体のわからぬ木と思われていたようです。
花期は5月中旬で、純白の花をびっしりと咲かせ、樹木全体がまるで雪をかぶったようで実に見事です。
この神明神社の社叢(しゃそう)約二千平方メートルが自生地として指定されていますが、少し離れた半原沢の段崖地にも一本自生があり、そこも国指定になっています。
棟札によると、元和3年(1617)3月造立となっていますが、古い宿場としての歴史と、稀に見る自然の恵みを与えられているこの地には、さらに大昔から人々の信仰が寄せられていたのではなかろうかと思われます。
(瑞浪市の神社[H10発行]より)
宿神明神社
祭神 天照大神 旧村社 最古棟札 元和三年(一六一七)三月造立 釜戸町宿
元和三年西山氏によって造立され、寛永十四年の修理からは溝口氏が本願となり文化ごろから産土神として宿村中の祭祀となる。白狐温泉神明湯の守護神でもあり、寛永・慶安・寛文以降の棟札多数を存す。
灯籠
(安永四・一七七五・対・奉寄進・宿村中)