この磨崖仏は、瑞浪市北部の日吉町南垣外地区を流れる南垣外川東側の水田の脇にあります。
磨崖仏(まがいぶつ)というのは、岸壁や自然の岩に線彫りや浮彫りで彫刻された仏像です。日本では、平安時代に多く作られていますが、瑞浪市には例が少なく、この磨崖仏は貴重な存在として昭和42年に市の文化財に指定されました。
南垣外字南三本松、石神(いしがみ)から鬼船(おにむね)の方へ通じる古い小道の傍らに高さ230センチほどの大岩があり、その南面に全長が155センチ、肩幅48センチ の地蔵菩薩が線彫りで刻まれています。左手に宝珠(ほうじゅ)、右手に錫杖(しゃくじょう)を持つおだやかな表情の地蔵様です。製作年代は彫ってありませんが、像の彫り方から室町時代(5〜600年前)のものといわれています。なお、石神道の途中にある岩にも小さな仏像らしきものが彫ってありますが、どういうものかわかりません。
鬼船へ上る道の傍に(今は林の中になっていますが)観世音菩薩をまつった碑や庚申仏(こうしんぶつ)、金毘羅様が祀られていた立派な石造の祠があり、この土地の人々の信仰の深さを伝えています。
宝珠(ほうじゅ)・・・何でも思いのままに出してくれる珠(たま)
錫杖(しゃくじょう)・・・頭に金属の鐶がついた杖
(日吉町HPより)
瑞浪市日吉町3842番地の2
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