金蛇入池跡
猿爪吹越のバス停のそばの「サニーヒルズみずなみ」の裏手に、金蛇入公園という桜の美しい公園があります。
公園敷地内には石碑が、公園の奥の方には、金蛇入の池の名残りをとどめる小さな池があります。
この池が金蛇入と呼ばれるようになった理由は、子どもをさらわれた女の人がこの池に身投げをして金色の蛇に化身し、鷲が村の子供たちを襲うので、鷲の首にまきついて退治したと言われており、それから金蛇入と呼ばれるようになったそうです。
そしてこの金色の蛇に感謝してお供え物をしたり、お参りしてきたそうです。今では池は名残りをとどめるくらいに小さくなってしまいました。
昭和の頃、滝があり、金蛇入池にはボートが浮かび、桜の季節には花見客で賑わいました。
八大龍王
八大龍王は、仏教守護の八体の龍王(竜神)で水中の主といわれている。昔から雨乞いの神様として祀られ、雲を呼び、雨を降らす井戸の神・農業の神である。この神様が、猿爪川の源流の地である金蛇入池と、水上川の源流の地である龍王山に祀られています。
龍は蛇を神格化したものであり、双方の地には昔話しには蛇が登場します。
金蛇入池伝伝説①
落武者となってこの地まで逃れて来た井の平の殿様が自決を決断し、最初に奥方が梨ケ根のお姫ケ池に入水した。次に殿様が領分の殿様池に入水した。最後に腰元が吹越の金蛇入池に入水した。腰元はお世話になった殿と姫に合いたくて夜な夜な金の蛇となってさまよったと伝えられている。
きんだりの池伝説②
中馬街道をとぼとぼと歩いている女の人がありました。顔も体もほこりまみれで疲れている様子でしたが、どことなく気品があり髪に金のかんざしが光っていました。
その女の人が吹越峠の手前から小道をすすむと、静まりかえった深い池があり、そこの岸に腰をおろしました。
この人は但馬(兵庫)の人で、一人息子が人さらいにさらわれ探していたのでした。
三年探し回り歩き疲れ精魂尽き果て、ついに池に身を投げてしまいました。
ある年、近くの山の大きな松の木に鷲が巣をつくりました。鷲は空を飛び回り、百姓のにわとりや鯉をさらっていき、ついには子どもにまで襲いかかるようになりました。
ある朝、鷲が空でギャーギャー騒いでいたので見上げると、鷲の首になにか巻きついています。金色の蛇が鷲を退治するために巻きつき、鷲は真っ逆さまに池に落ちて姿を消しました。
それから村人は、この池へお供えをして金の蛇に感謝をしました。それからこの池は金蛇入の池と呼ばれるようになりました。