■ 古墳

市原横穴 岐阜県 瑞浪市 土岐町市原

 南宮神社の参道を30mほど登り、その右側に開口部間口3m、高さ1.25mの横穴があります。内部は奥行4m、幅3.3mの長方形で天井はドーム状で中央部の高さは1.9mです。入り口の上に水平に渡したまぐさ石が、えん道と呼ばれる玄室と外を結ぶ通路があったと思われますが参道を付けるときに削られてしまったか崩落してしまったと思われます。壁には丸ノミの跡が鮮明に残っています。土岐川の南岸にある横穴のうち現存する唯一の横穴です。

市原横穴

土岐町市原字中島6652-2

 南宮神社への参道を30mほど登りつめた右側に真西を向いて開口している。開口部は間口約3m、高さ1.25mの長方形をしている。昭和30年代には両袖の構造がはっきり残っていて、間口も2.4mと狭かったところをみると、その後四半世紀のうちに入口の外壁部が大きく浸蝕をうけたことになる。岩盤は他の横穴とおなじく凝灰岩である。
 平面形は奥行4m、幅3.3mの長方形。天井はドーム状で、中央部の高さは約1.9mである。入口の高さは1.25mしかないので、ここに楣石状の垂れ壁が造り出されていたことになる。ある程度の長さの羨道部がつけられていたことが考えられるが、参道をつけたときに削りとられたか、崩落してしまったらしい。
 左側壁の奥壁から1.2m、底面から0.3m上のところに龕状の小さな凹みがある。壁には丸ノミの工具痕が鮮明にのこっている。
 横穴は下の住宅地との比高約10m上のところにあり、土岐川の氾濫原を眼下に見おろす絶景の場所に位置している。土岐川の南岸にある横穴のうち現存する唯一の横穴である。

(瑞浪市の古墳と古東山道より)

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