明治中期建立。日の宮道の入り口に建てられており、近くには立派な村灯篭やエノキの大木の根元には道標もあります。
瑞浪市だけの郷土神と考えられる「月・日の宮」は、平安朝のころからすでに東山道の名所・名物(珍石)に数えられ、夫木和歌集(1117~1190)らに
榊葉に 掛けし鏡の 面影を 神も見まさん 月の休む間 西行法師
むこ舟の しずくうかがる 玉笹の 世々経て澄める 月の井の水 僧志日
よろず代を とぎすみ神の 日の御玉 ここより永代の あかり立つらん 読人不知
掘り当てし 月日の糞や 薬掘 三州木朶
などの句歌にもなっています。
「日の宮」は、日吉町社別当にあって、日之宮(天津日神社)とも呼ばれ、美濃御坂越記(1772~1780)にも紹介されています。「化石のまち瑞浪市」ならではの神様です。
日の宮・月の宮
市内の明世・日吉地区で産出する瑞浪化石、中でも「月・日のおさがり」を神(月・日)の落しもの(糞)」として大切にし、神棚に祀ったり、厄除けとしてお守りにすることが江戸時代以前から行われていました。またこれらの化石が奈良・平安の昔から刀傷の妙薬として珍重されたり、戦時中では出征兵士のお守りとされたのも事実です。
この 「月・日のおさがり」 とは、巻貝化石のビカリヤ・ビカリエラのことで、玉髄に置換されるとき、美しい赤褐~暗褐色(日)になったり、白色(月)になったりしたものを呼び、巻きが十巻とか十二巻とか多いもの程大切にされたものです。
全国でも瑞浪市だけと考えられる郷土神「月・日の宮」 に関しては、平安朝のころからすでに東山道の名所・名物(珍石)のーつに数えられていて、夫木和歌集(1117~1190)らに「榊葉に掛けし鏡の面影を 神も見まさん月の休む間 西行法師、 むこ舟のしずくうかがる玉笹の 世々経て澄める月の井の水 僧志日、 よろず代をとぎすみ神の日の御玉 ここより永代のあかり立つらん 読人不知、 掘り当てし月日の糞や薬掘り 三州木朶」などの句歌にもなっています。
日の宮・月の宮伝説
慈照禅師(じしょうぜんじ)という僧が、日本の中央をたずねて日吉の里に来られ、21日の間、榎(えのき)の木の下でお経を読んで日の出・月の出をおがまれました。21日目の朝、日の出前に大杉の天辺に光り輝くものがありました。それは珍しい玉でした。西方にも光る玉がありました。この不思議な形をした玉は、神様のお下がり、つまり糞として、はじめの玉を日のお下がり、あとの玉を月のお下がりとして寺を建て、日の玉・月の玉を安置する日の宮・月の宮を祀ったということです。