安永八年(1779)山田河水ほか30枚。
山田には当市内第一期文化隆盛期の宝暦(1751)~寛政(1800)期に、釜戸の安藤松軒父子・日吉の寸志(芝)・月吉の和水らの影響でいち早く結成された尾水・露水(渡辺定右衛門)・其水(同勇右衛門)・巴水(安藤六右衛門)らを中心とする俳譜グループがあり、これらのグループの最盛期に行われたのがこの三十枚の絵句天井の奉納でした。時は郷土の第一期の文化開花期の安永八年(1779)のことで、絵は肖像でなく山水・四季・花鳥が中心です。
この絵句天井の句は、二百二十年近い歳月のことと、誠に読みづらい書体で判読に苦労しますが、二・三句紹介すると次のとおりです。
白浪の 世界は広し 踊り鯉 河水
伏猪といい やさしの君なり 秋の暮 菊水
びわの実や 三番更も ふらせたし 雨水
なお、この山田俳譜グループは、月吉の和水を師とする「正風和歌俳譜美濃派=獅子門」に正式に入門したグループで、露水らによる「正風美濃派入門誓戒之事」の珍らしい入門誓紙があります。

































