吹き上がる炎が創る土と炎の融合美 連房式登窯
連房式登窯は、17世紀初めごろに、美濃に導入された窯体構造で、製品を焼成する房(室)が幾つも階段状に連結しています。
各々の房は、狭間孔と呼ばれる穴によって結ばれ、そこから熱が伝わります。
江戸以降、一部に改良が加えられたものの、昭和20年代まで使用された窯体です。
織部・御深井釉(おふけゆう)の製品から磁器まで焼成されています。
一番下の窯口から火を入れ約1200~1300℃に達するまでに約1日かかります。下の房から順番に火を入れて焼成をしていき、最後の房の焼成時には火が噴きだすほどの炎になります。
火加減は、温度計を使用して監視していますが、むらなく火が回っているかは上に空いた3つの穴から出る炎の色で判断します。
炎が噴き出している時は、温度の上昇は少なく、薪が燃えて燠(おき)になると温度が一番高く上昇します。そして温度が下がり始めるとまた薪を入れて温度を上げていき、それを2夜に渡って続けます。
焼成が終わると「焚いた時間と同じ時間をかけて冷ます」と言われるように急速な冷却で割れないように時間をかけてさますと、同じものは二つとない独特の仕上がりの陶器ができ上がります。
瑞浪市には、3基の登り窯があります。与左衛門窯は6連房、天神窯は3連房の窯です。いずれも年に数回火を入れて作品を焼き上げています。