中街道の柄石峠口にくわらん薬師と馬頭観音があります。
享保6年(1721)のくわらん薬師如来石像は、地元の田中氏による造立で、街道の旅人の徐病ために馬頭観音と並んで建てられています。腹の前の両手に薬壺(やっこ)を捧げている薬壺印のものです。
享和元年(1801)の馬頭観音は、裳の裾がやや左右に広げられて彫られている一面二臂の馬頭印のものです。
沓掛からは山越しで常柄辻に出、この途中から柄石峠までの旧道沿いにも春日様の道祖神・くわらん薬師(享保六年一七二一)・馬頭観音(享和元年・一八〇一)らが建っています。
薬師如来石像
日吉町常柄中街道沿(享保六・一七二一・光・立・くわらん薬師・薬壷印)
日吉町常柄の旧中街道柄石峠道のものは、「くわらん薬師 享保六年丑六月八日」と光背部に刻まれた地元田中氏による造立の立像で、集落民というよりも街道の旅人の除病のためといった感じで馬頭観音と道端に並んでいるもので、腹の前の両手に薬壷を捧げている薬壷印のものです。
馬頭観音
日吉町常柄柄石道(柄石峠口)(享和元・一八〇一・立・一面二臂・旧中馬街道)
日吉町常柄やこの月吉橋のものなど、享和ころから像形上では、裳の裾がやや左右に広げられて彫られる一面二臂馬頭印のものが多くなりました。