○ 日吉地区

ヒトツバタゴ自生地 瑞浪市日吉町・釜戸町・稲津町・大湫町

 遠い北の国から、ことしも鶴が又やってきました。宿の庄屋の娘おさきは、とても鶴をかわいがって世話をしていました。その一羽の背中に三日月の紋のある鶴がいました。北へ帰るほんの少し前のこと、猟師に撃たれたのか、いたちにかまれたのか三日月の鶴が片羽根をとられてしまいました。おさきは、とてもかわいそうに思ってけんめいに手当をしてやりましたが、夏がすぎ秋も深まって、もう少しでみんなが帰ってくる頃に、とうとう死んでしまいました。おさきはそのなきがらをひとつばたごの根本にうめてやりました。ひとつばたごは、名の通り葉が一枚づつ出ているので、片羽根の鶴と同じだと思ったからです。そして大きくなったひとつばたごには、鶴の羽根のように真っ白な花が咲くようになりました。

●この昔話は、「ふるさと瑞浪」のお話のあらすじを短くして掲載しています。

ヒトツバタゴ

 爽やかな新緑が美しい5月、新緑の5月にはまるで雪をかぶったように純白の花が覆いかぶさり、その景観は実に見事です。
 ヒトツバタゴの自生地は岐阜県・愛知県犬山市・長崎県対馬、国外では中国・朝鮮半島のごく一部と限られ、世界的にも大変珍しい樹木です。
 岐阜県の中でも自生地は東濃地方が中心で、自生木は数百本ほどと言われており、3種類の中で最も希少性が高く、天然記念物に指定をされている自生地が多くあります。
ヒトツバタゴとは
 ヒトツバタゴのタゴは同じモクセイ科のトネリコの一名で、 ラケット用材として利用されます。トネリコの葉は羽状になっていますが、ヒトツバタゴは一枚の葉なので『1つ葉のタゴ』 ということです。
 真っ白な花が美しく、今では公園や街路樹などに植えられていて全国的に有名になりました。
 当地方では「ナンジャモンジャ」、「アンニャモンニャ」「六道木」とも呼ばれています。


釜戸ヒトツバタゴ自生地(国天然記念物)


・所在地:釜戸町823番地、678番地の3
・大正12年3月7日指定

 ヒトツバタゴはモクセイ科に属し、主として湿地に生える落葉樹で、「一つ葉のタゴ」を意味します。タゴはラケット用材として利用されることの多い、トリネコのことです。当地方では「ナンジャモンジャ」、「アンニャモンニャ」とも呼ばれ、新緑の5月にはまるで雪をかぶったように純白の花が覆いかぶさり、その景観は実に見事です。
 ヒトツバタゴの分布は東アジアに限られ、中国・朝鮮半島の一部と日本のみに見られます。国内では対馬と愛知県・岐阜県・長野県に限られ、自生地の少ないこと、学術上の分布範囲の面から保護されています。
 釜戸町字森前の神明神社社叢2,082.3平方メートルと、字百田の半原沢に沿う断崖地135.3平方メートルが指定区域となっています。


国指定天然記念物 ヒトツバタゴ自生地

指定日:1923年(大正12)年3月7日

ヒトツバタゴについて
◆学名:Chionanothus retusus(キオナンサスレツゥーサス)Lindley and Paxton,1853 ※Chionanthus:雪の花(ギリシャ語)
◆和名:ヒトツバタゴ ※一つ葉のタゴ(トネリコ)が名前の由来
◆地方名:ナンジャモンジャ
◆英語名:Japanese snow flower(ジャパニーズ・スノゥ・フラワー)
◆分布:長崎県・愛知県・岐阜県・長野県・中国・朝鮮半島の一部

 ヒトツバタゴは、モクセイ科に属する雌雄異株の落葉広葉樹です。主に水はけの良い場所に自生し、毎年5月上旬~中旬に白色で4つに深く裂けた形の花を枝先につけます。
 看板の後ろにあるヒトツバタゴは樹齢150年以上とみられ、ヒトツバタゴの中では長寿の部類にはいります。また、樹周(幹の周囲の長さ)は150cmを超え、このような大きさまで成長する例は少なく、岐阜県内では最大級であり、学術的に大変貴重です
 国内で自生しているヒトツバタゴは少なく、市内では他に3箇所が確認されているのみです。釜戸町のヒトツバタゴ自生地は1922年(大正11年)頃に波磨實太郎氏(岐阜県史跡名勝天然記念物調査会委員)によって調査され、大変希少な自生地であることが判明しました。その後、三好 学博士(現在の恵那市出身)の尽力により国の天然記念物に指定されました。

看板設置:瑞浪市教育委員会 2018年(平成30年)2月

(現地看板より)
※ヒトツバタゴの木は、もう1本ありましたが枯れてしまいました。

森前のヒトツバタゴ

・瑞浪市釜戸町森前 所有者:釜戸町宿区長
・樹齢150年 樹高15m 幹周120cm
・国天然記念物

 神明神社の社叢と百田の半原沢の断崖地に3本自生しています。
 5月中頃、木全体に雪をかぶったように、まっ白な花をつけ、周囲の新緑とのコントラストが特に見ごとです。
 別名ナンジャモンジャという名前の由来は、「あれは何の者だ」からきたとも言われ、国の天然記念物に指定されています。
 すぐ隣には、ケガをした白狐がキズを治したといういわれのある白狐温泉があり、その泉元として、木の根元から湧く神明の泉は、岐阜県の名水にも選ばれています。
 白狐温泉前から北へ3分歩いて、つり橋を渡ると、聖天様の大岩があり、これを右へ迂回して、地下道を抜けると神明泉につきます。この間5分、目の前に森前のヒトツバタゴが2本あり、ここから山手に10分登り、国道19号線沿いの半原沢に1本あります。

(『岐阜の名木名水』より)
※現在つり橋はありません。つり橋の支柱のみ残っています。

白狐温泉神明水 瑞浪市釜戸町

 土岐川に面した神明水は、昔ケガをした白狐がこの泉に浸して治したという伝説があり、今なお湯治場の面影を残しています。
 まるで綿雲を盛り上げたようなまっ白い花のかたまりが、若葉の森に浮かんでいます。
 有名なヒトッバタゴです。風もないのにその花びらが、一ひら二ひら舞いおちました。見ればそこに、とてもきれいな池があります。
神明様の下の三つの岩を囲むように水をたたえる、広さ50㎡ばかりの池です。深さは大人の背丈程でしょうか。まるでパラオの海を見るような、淡青色に澄んだ神秘な池です。池の底の玉砂利のあちこちから、地の神がつぶやくように水泡がのぼり、岩の膚にはモズクのような湯あかがゆれています。温泉です。単純炭酸泉で、リュウマチ・高血圧・皮膚病をはじめ、いろんな病気に効くといわれ、この地方の人々には昔からとても親しまれてきました。
 この池には、こんな伝説があります。
 『宝永(1704~11年)のころ、この里の天猷寺の住職大雲和尚が隠居して、ここに庵をつくり、大好きな彫りものにいそしんでいました。ある夜、和尚がふと気付くと、前の大岩のもとで、まっ白い狐がじっとうずくまっています。それが幾晩も続きましたが、ある日、その狐がまっ白いひげの老人となって現れ、「あの岩の下から霊泉が湧き、私はその泉で足のケガをなおしたところだ。」と教えてくれました。喜んだ和尚は、里の人と相談して、そこを掘りました。白狐の教えどおり、生温かい湯がこんこんと湧きました。』
 それから何百年、今も変わりなく湧き出ています。
 温泉の南には土岐川が絶景をつくり、つり橋観月橋からの眺めはとても見事です。旅館がわずか4~5軒(現在は営業1軒)というひなびた温泉ですが、瑞浪駅と釜戸駅との中間の19号線沿いという便利なところにあります。

(岐阜県の名水より)

天然記念物ヒトツバタゴ自生地

 釜戸町字森前、神明神社境内及び、その隣接地にあって、社叢2反1畝1ならびに字百田半原沢に沿う断崖地1畝11歩を指定区域と定め、大正12年、珍稀植物の所在地として、学術の研究に資するため、内務省から指定をうけた。
 ヒトツバタゴはモクセイ科に属し、ナンジャモンジャ、アンニャモンニャ、六道木等の異名があり、 ナンジャモンジャ、アンニャモンニャとは、名の知れない木のことをいったものです。この植物は、東洋の特産で、中華、朝鮮の一部に産する外、日本では対馬と、岐阜県の東部、愛知県の北部に限り自生し、頗る珍稀な種類に属します。開花期は五月中旬、白色、開花し始め、約1週間で落花します。そゐ盛りは、20日前後であって、いずれも雌を欠き、唯その痕跡を存します。 当地のものは、果実を結びません。
 尚、 ヒトツバタゴとハナノキは、 天然記念物の指定を受ける前に、各一本ずつ、釜戸小学校東の紀念碑のある所の南側に東、西にわけて移植してある。

(釜戸町誌 通史編より)

ヒトツバタゴ自生地(国指定)

・所在地:釜戸町823番地、678番地の3
・大正12年3月7日指定

 ヒトツバタゴはモクセイ科に属し、主として湿地に生える落葉樹で、「一つ葉のタゴ」を意味します。タゴはラケット用材として利用されることの多い、トネリコのことです。当地方では「ナンジャモンジャ」、「アンニャモンニャ」とも呼ばれ、新緑の5月にはまるで雪をかぶったように純白の花が覆いかぶさり、その景観は実に見事です。
 ヒトツバタゴの分布は東アジアに限られ、中国・朝鮮半島の一部と日本のみに見られます。国内では対馬と愛知県・岐阜県・長野県に限られ、自生地の少ないこと、学術上の分布範囲の面から保護されています。
 釜戸町字森前の神明神社社叢2,082.3㎡と、字百田の半原沢に沿う断崖地135.3㎡が指定区域となっています。

(瑞浪市の文化財より)

十三 ひとつばたご

 遠い北の国から、ことしも又鶴がやってきました。日向きのよい釜戸の宿の田圃へおりると、稲株の間を歩き回って、どじょうやつぼをさかんに掘り出して食べています。沼田の多いここらは釜戸でも一番鶴のまいおりるところでした。宿の庄屋の娘おさきは、とても情深い子で、いろんな生きものをかわいがりましたが、特に鶴をかわいがって、秋のとり入れの頃には落穂を拾って鶴のえさにしまってやりました。又、城山の田圃からツボを取ってきて田圃にまいてやりました。
 おさきがざるに入れた餌をもってあぜに立つと何十羽も鶴が集まってきました。その中の一羽にせなかに三日月の紋のある鶴がいました。去年はまだほんの子どもでしたが、ことしはもうりっぱに一人前になっていました。
 その鶴たちが春になって北の国へ帰るほんの少し前のことです。りょうしにうたれたのか、いたちにかまれたのか、三日月の鶴が片羽根をとられてしまいました。田圃へ落ちて、バタバタと苦しんでいるのをみつけた近所の人が、おさきのところへとどけてくれました。おさきは、とてもかわいそうに思って、けんめいにてあてをしてやりました。
 友達が北の国へ帰るのをみて、鶴は悲しそうに「くう、くう」と鳴いていました。裏の鶏小屋で、しょんぼりしている鶴を毎日いたわって大事にしてやりましたが、夏がすぎ秋も深まって、もう少しでみんなが帰ってくる頃になって、片羽根の鶴はとうとう死んでしまいました。おさきは泣きながらその鶴を百田の上の川のほとりの、ひとつばたごの根本にうずめてやりました。
 ひとつばたごは名の通り葉が一つづつ出ているので、片羽根の鶴と同じだと思ったからでしょう。
 その後、大きくなったひとつばたごの枝には鶴の羽根のように、まっ白い花が咲くようになりました。今も、その木の何代目かが、半原沢の近くや、神明様の境内にはえています。

(ふるさと瑞浪より)

釜戸町宿 ヒトツバタゴ自生地 (国指定天然記念物)

 釜戸町宿にある自生地は、白狐温泉の源泉がある神明神社と旅館今井屋側に2本、国道19号線を挟んだ反対側の半原沢沿いに1本あります。
 このヒトツバタゴの自生地は大正12年(1923) 3月に国の天然記念物に指定をされました。

 


国指定天然記念物
半原口 ヒトツバタゴ自生地

 ヒトツバタゴ学名(Chinanthus retusus)は、モクセイ科に属する雌雄異株の落葉高木で、主に湿地の周辺に自生します。
 別名ナンジャモンシャ、六道木とも呼ばれ、五月頃に白い花をたくさんつけます。
 その様子はまるで木か雪をかぶったようであり、実に見事なものです。
 自生地は、国内では岐阜県、愛知県、対馬のごく一部に見られるのみで、国外でも中国朝鮮の一部に限られておリ、その希少性から保護されているものです。
 瑞浪市内では、ここ一三五・三平方メートル)と釜戸町宿の神明神社社叢二、〇八二・三平方メートル)が国の天然記念物に指
定されています。
(指定 大正十二年三月七日)
文化庁
瑞浪市教育委員会

(現地看板より)※現在木が確認できていません。



大湫ヒトツバタゴ自生地 (県指定天然記念物)

 中山道大湫宿より恵那市へと通じる道を北へ向かい、神田(かんだ)地区に入ると朴葉沢(ほおばさわ)と呼ばれるヒトツバタゴの自生地があります。
 花の咲く季節には沢全体が真っ白に染まり幻想的な美しさです。
 樹齢100年を超えると思われるヒトツバタゴ。 11本もの群生は県下一の自生地で昭和34年(1959)県の天然記念物に指定をされました。11本の樹の内3本が実を付ける雌木です。
 まわりには湿地特有の植物、絶滅危倶種に指定をされている「カザグルマ」や「ミカワバイケイソウ」も見ることができます。
 大湫の自生地は、最もヒトツバタゴの自生環境が保たれた他に類の無い貴重な場所です。大切に守り後世に残していきたい自生地です。

大湫ヒトツバタゴ自生地 (県指定天然記念物)

 中山道大湫宿より恵那市へと通じる道を北へ向かい、神田(かんだ)地区に入ると朴葉沢(ほおばさわ)と呼ばれるヒトツバタゴの自生地があります。
 花の咲く季節には沢全体が真っ白に染まり幻想的な美しさです。
 樹齢100年を超えると思われるヒトツバタゴ。 11本もの群生は県下一の自生地で昭和34年(1959)県の天然記念物に指定をされました。11本の樹の内3本が実を付ける雌木です。
 まわりには湿地特有の植物、絶滅危倶種に指定をされている「カザグルマ」や「ミカワバイケイソウ」も見ることができます。
 大湫の自生地は、最もヒトツバタゴの自生環境が保たれた他に類の無い貴重な場所です。大切に守り後世に残していきたい自生地です。

 


日吉町本郷 ヒトツバタゴ自生地

・所在地:日吉町1280番地の3
・昭和42年7月21日指定

 日吉町本郷バス停近く、日吉川沿いの斜面に川を見下ろすように背の高いヒトツバタゴがあります。日吉町本郷字戸尻(とじり)の日吉川右岸181.5平方メートルが指定区域となっています。
 以前は3本の自生がありましたが、残念なことに現在は1本となりました。



稲津町萩原 ヒトツバタゴ自生地

・所在地:稲津町萩原1650番地のl
・昭和44年9月2日指定

 稲津町萩原、高平川に架かる日信橋近くに1本のヒトツバタゴがあります。稲津町萩原字高平(たかひら)の高平川右岸約20平方メートルが指定区域で、1本が自生しています。
 花の咲く季節にならないと気がつかないほど周囲に他の樹が多く、陽を求め上へと伸びています。
 この自生地は昭和44年(1969)9月2日に市の天然記念物に指定をされました。
 瑞浪市の中で土岐川南部の自生地は稲津町のみで、貴重な自生地です。



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