★伝説

ヒトツバタゴ自生地 瑞浪市日吉町・釜戸町・稲津町・大湫町

 遠い北の国から、ことしも鶴が又やってきました。宿の庄屋の娘おさきは、とても鶴をかわいがって世話をしていました。その一羽の背中に三日月の紋のある鶴がいました。北へ帰るほんの少し前のこと、猟師に撃たれたのか、いたちにかまれたのか三日月の鶴が片羽根をとられてしまいました。おさきは、とてもかわいそうに思ってけんめいに手当をしてやりましたが、とうとう死んでしまいました。おさきはそのなきがらをひとつばたごの根本にうめてやりました。ひとつばたごは、名の通り葉が一枚づつ出ているので、片羽根の鶴と同じだと思ったからです。そして大きくなったひとつばたごには、鶴の羽根のように真っ白な花が咲くようになりました。
●この昔話は、「ふるさと瑞浪」のお話のあらすじを短くして掲載しています。

 ヒトツバタゴは「一つ葉のタゴ」の意で、タゴはトネリコのことです。木犀科に属し別名をナンジャモンジャといい、新緑の5月、まるで雪をかぶった樹木のように純白の花がおおいかぶさりその景観は実に見事です。分布は国内では対馬と岐阜・愛知・長野の一部に限られ、その自生地は天然記念物に指定されています。

瑞浪市教育委員会スポーツ文化課 TEL.0572-68-7710
JR釜戸駅下車タクシー5分 中央自動車道瑞浪ICより15分

釜戸ヒトツバタゴ自生地

森前のヒトツバタゴ

・瑞浪市釜戸町森前 所有者:釜戸町宿区長
・樹齢150年 樹高15m 幹周120cm
・国天然記念物

 神明神社の社叢と百田の半原沢の断崖地に3本自生しています。
 5月中頃、木全体に雪をかぶったように、まっ白な花をつけ、周囲の新緑とのコントラストが特に見ごとです。
 別名ナンジャモンジャという名前の由来は、「あれは何の者だ」からきたとも言われ、国の天然記念物に指定されています。
 すぐ隣には、ケガをした白狐がキズを治したといういわれのある白狐温泉があり、その泉元として、木の根元から湧く神明の泉は、岐阜県の名水にも選ばれています。
 白狐温泉前から北へ3分歩いて、つり橋を渡ると、聖天様の大岩があり、これを右へ迂回して、地下道を抜けると神明泉につきます。この間5分、目の前に森前のヒトツバタゴが2本あり、ここから山手に10分登り、国道19号線沿いの半原沢に1本あります。

(『岐阜の名木名水』より)
※現在つり橋はありません。つり橋の支柱のみ残っています。

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