十三峠 尻冷しの地蔵尊
昔の旅人にとって道中の飲み水は大切でした。山坂の多い十三峠では特に大切であり、ここの清水は大変貴重とされました。この地蔵尊は、そんな清水に感謝して建てられたものですが、ちょうど清水でお尻を冷しているように見えるところからこんな愛称で親しまれてきました。
(現地看板より)
尻冷しの地蔵 大湫町 中山道筋
大湫宗昌寺を右に見てから寺坂、山の神坂、しゃれこ坂の急坂を登り切ると地蔵ヶ坂に尻ひやしの地蔵がある。うっ蒼と繁った杉木立ちの中に、ひときわ太い老杉、その下に泉ありコンコンと清水がわいている。
像高80cm、巾37cm、右手に錫杖、左手に宝珠、仏像巾18cm、顔面長7cm、宝永8年卯四月六日(1711)台石に、日吉村・大久午小栗某とある。
慶長8年(1603)十三峠を改修して翌9年工なり大湫宿設置。
山坂の連続する難儀な道の中の「オアシス」ともいうべき所に、この地蔵の立てられたことは意義が深い。
(『瑞浪の石造物』より)
尻冷やしの地蔵様
三十三所観音の西、観音坂の小坂を下るとお助け清水・尻冷やしの地蔵様である。十三峠は難所の上に水場の少ない峠道であったから、夏期の人馬や旅人は特に難渋した。
宝永8年(1711)伊勢国久居の豪商熊野屋一家もその一人で、急病の夫人がここの僅かな清水で助かったことから地蔵様を建立したと伝え、小池を「お助け清水」、地蔵様を「尻冷やしの地蔵様」と呼んで十三峠の名所の一つであった。
道はこの西方で車道(農免道)と交叉するが、車道を右折(北)すると中山道GC・神田集落、南進すると大漱宿への車道で、中山道は土道で八丁坂の急坂を右手へ上る。
(『瑞浪市の中山道ガイドブック』より)