■ 寺院 石仏

櫻堂薬師　観音堂　絵句天井

　明治十年前後の絵と句だと考えられ、俳句仲間は現土岐町の桜堂を中心に下沢・鶴城・木暮・益見・奥名、それに釜戸からも参加しています。木暮・如是庵は信光寺の和尚で、所・恵康は桜堂薬師の尼僧さんと思われます。

雨雫　軒に残りて　今日の月
奥名　松 柏
坂道も　知らずに歩く　さくらかな
除戸　里 水
月清し　心止むれば　水の音
所　歌 子
誉められて　一枝へらす　桜かな
所　二 山
岩伝う　水あたたかし　山ざくら
益見　玉 園
明石とも　須磨ともいわず　冬の月
木暮　如是庵
谷間にも　雪はあれども　初ざくら
所　市 桂
昨日は如来　今日は一際　さくらかな
所　一 清
春雨や　雲の切れ間に　月のかげ
所　清 水
顔に未だ　ふく風寒し　あさざくら
所　松 風
宵の間は きぬたも聞こえて 月見かな
所　木 一
月今宵　いも盗人を　酔わせけり
所　竹 雪
あらためて 見る気になるや 今日の月
所　一 艘
系類寺の　縁に樽あり　花の朝
中町　九 阜
澄みにけり　松の葉越ゆる　秋の月
所　恵 康
破れ戸は　閉めても洩れて　冬の月
所　琴 桑
来る人が　足とめて見る　桜かな
所　米 花
二三日を　夢のここちの　桜かな
所　一 久

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