八大龍王
龍王は、古代中国の想像上の霊獣である龍を神格化したものである。
その龍王が日本に伝わり、龍神や龍宮と呼ばれ、水神として信仰されてきた。
仏教のなかでは八大龍王という考え方があり、これは、「法華経」の守護神である。
密教の雨乞い儀礼をする際に用いられる請雨経曼荼羅(まんだら)には、釈迦如来に仕えるものとして八大龍王が描かれている。
日本に入ってきた龍王は、水の神を祀る神社として、龍神社、龍王社、八大龍王社、九頭龍社等の、そのものズバリのものでなくとも、龍神を祀っている神社は多い。
龍神は水神としても、水が最も大切な農業と結びつく。
農家にとって水は大切な命であり、雨が降らなければ、「雨乞い」をし、その場所として龍神の住むとされる川、沼、池、淵などで行われる、龍王は遥世以来「水乞い」「雨乞い」の神として崇敬を受けてきたものです。
また、海の神も、水神の信仰と結びついて、しばしば龍神と呼ばれる。
そして、漁民のあいだでは海神を祀る龍神祭りが広く行われている。
漁民のあいだでは、金物を海に落とすことがタブーとなっているが、これは蛇の神の信仰と関係があるものと思われる。
金物は蛇の魔力を弱めるといい、蛇を怒らせると伝えられている。
八大龍王は「水、漁師の守り神」、農家の「雨乞い」の神様でもあります。
八大龍王は瑞浪市内に数ヶ所しかない貴重な神様で、八大龍王を祀る前の池は年中、水は枯れることはありません。
今から、六十四年前太平洋戦争たけなわの昭和十八年夏、食糧増産に必死な農家にとっては、旱魃は致命的なことでした。
当時、酒井静雄 (水の木)をはじめ多数の老若男女が、祭礼日にあたる八月十八日に、天徳山中に祀られる「八大龍王」の御神体を奉持し、土岐川の日焼田橋(市原) 上流の猫淵に沈めたところ、雷鳴轟き降雨ありその霊験あらたかな出来事は今に語り継がれ、一日市場の農家は旱魃から難を逃れたのです。
現在も、毎年七月下旬から八月上旬に五穀豊穣祈願の神事が、一日市場農事改良組合により執り行われています。
平成十九年十月十日
一 日 市 場
一日市場生産森林組合
一日市場農事改良組合
(現地看板より)