観音とか観世音菩薩とかいう言葉は、もともとはこの「聖観音」を指す言葉で、阿弥陀三尊の右脇侍としてや十三仏の一つとして造立される「観音」も、この聖観音のことです。聖観音の像形は、宝冠中に阿弥陀の化仏を置き、左手に末敷(未開花)または開敷(開花)の蓮華を持ち、左手はこれに添えるか与願印と説かれています。実際には市内でも蓮華を右手に持っものや、合掌印のものも数多く見られて他の変化観音らとの判断に迷うのが実状です。市内で、両手か左右どちらかの手に蓮華を持ったり、片手を与願印にしたりしている「聖観音石像」は馬頭観音に次いで造立例が多く、明白なものだけでも百例以上に及びます。



