


小里川第三発電所の貯水槽
小里川発電所
多治見電灯の創始者「加藤乙三郎」自ら測量など陣頭指揮にあたり、小里川に第一、第二、第三発電所を築いた。第一発電所の庭に大正11年4月竣工「天下恵人就効」の記念碑がある。碑の側面には工事担当の主要人物の名が刻まれその中には「設計監督加藤乙三郎・石工岡田九一郎・石積池田佐次郎・田口竹次郎・池田久吉」の名が刻まれている。石作りの芸術といわれる第三発電所のめがね橋「與運橋」は、唯一名前が付いた橋である。
與運の意味を解釈すると①この発電所が、多くの運を呼び社業の発展につながるよう祈願した、②多くの人々に恵まれ運は良かった、の両者が考えられるが本当の意味は加藤乙三郎社長の胸の内である。
(小里川ダムのふるさとより)
小里川第三発電所の貯水槽
陶町猿爪
前回に引き続き、小里川発電所に関連する近代化遺産、小里川第三発電所の貯水槽をご紹介します。
同発電所は、三箇所の発電所のうち最上流に建設され、当初は多治見電灯第四発電所と呼ばれ、大正14年(1925)に開業しました。
この貯水槽は発電所への送水用施設として造られたもので、高さは約7m(水槽部約4m)、長さは約18mもあります。
セメントが普及していた当時にあって、あえて花崗岩を用いており、その下部(基礎部)を堅固な石造アーチが支える(石橋型貯水槽)という珍しい構造です。
水没を免れた数少ない発電所施設で、小里川ダムウォーキングマップには「旧発電水路」と掲載されています。
【解説】瑞浪市教育委員会スポーツ・文化課 砂田普司 氏